学資保険はいくらあれば足りる?いくらもらえるのがベストかFPが解説

学資保険では、受取金の総額を200万円〜300万円にして月々の保険料の支払いを1万円〜1万5千円にする加入者が多いことが調査で明らかにされています。

この記事では、その理由を学資保険や教育資金に関するあらゆる調査結果を元に説明していきます。

また、学資保険に加入するメリット・デメリット、加入する際の注意点やポイントを詳しく紹介します。

学資保険はいくらかけるのがべストなのか

学資保険はいくらかけるのが良いのかは、家計の現状や教育プランによってそれぞれ異なります。

以下に、色々な調査結果を示しました。

学資保険にいくらかけている人が多いのか?

子供の進学費用の為の準備は、平均で約17,000円/月かけているという調査結果がソニー生命によって明らかにされています。

保険料金額 割合
10,000円〜14,999円 18.9%
20,000円〜29,999円 18.4%
30,000円以上 20.1%

出典:ソニー生命 子どもの教育資金に関する調査2019

この平均額17,000円を学資保険の保険料とすると、支払い期間を17歳までとした場合の満期受取金額は、350万円前後になります。

一般的に満期受取金を200万円〜300万円に設定する家庭が多いということも、調査機関の結果としてわかっています。この場合、保険料は約1万円〜1万5千円となります。

大学の入学資金として学資保険を利用する家庭が多いこと、そして月々の支払いに無理のない保険料を考えた場合にこの金額が妥当であるということがその理由として挙げられます。

まず知っておきたい教育費がかかるタイミングと金額

子供が生まれてから親の手を離れるまでには、様々なステージごとにまとまった教育費が必要となります。

もちろん、子供の進路は親の思った通りとはいきませんが、大まかな流れと金額を予め把握した上で教育プランを立てることはとても大切です。

ここでは、教育ステージごとに、どのくらいの教育費が必要なのか見ていきます。

学年(年齢3歳〜15歳まで)別の教育費

学習費の総額を年齢別に見ていくと、最も多くかかるのは、私立小学校1年の約184万円です。

公立のなかでは、中学3年時の約57万円となっています。

【学年別の学習費総額 公立or私立】

区分 公立 私立
幼稚園 3歳

4歳

5歳

210,073

212,400

259,644

479,775

438,832

526,778

小学校 1年生

2年生

3年生

4年生

5年生

6年生

342,640

270,917

289,272

310,908

345,078

375,358

1,842,650

1,275,934

1,365,914

1,464,090

1,557,348

1,658,692

中学校 第1学年

第2学年

第3学年

469,153

392,774

571,163

1,572,110

1,156,873

1,250,538

高校 第1学年

第2学年

第3学年

516,662

471,549

363,125

1,275,991

976,188

857,626

出典:文部科学省 平成28年度 子供の学習費調査

大学4年間における教育費

大学生活にかかる教育費は、「国公立か私立か」、「どの学部に進学するか」で大きく変わってきます。

国公立では、大学に納入する学費は理系文系でほとんど変わりません。

しかし、私立では文系と理系で学費に大きな差が出てきます。

私立の理系に進学した場合には、約880万円の学費が大学4年間だけでかかることが調査結果からわかります。

【大学4年間にかかる学習費】

大学 国公立 私立文系 私立理系
入学費用 797,000 959,000 1201,000
在学費 1,013,000 1,498,000 1,899,000
4年間在学費 4,052,000 5,992,000 7,596,000
大学合計 4,849,000 6,951,000 8,797,000

出典:日本政策金融公庫 平成28年度「教育負担の実態調査」

毎月支払う保険料から学資保険を考える

ソニー生命の学資保険「学資準備金スクエア」のHPのなかには、「学資保険で大切なのは、返戻率よりも家計に負担をかけないこと」とあります。

アンケート結果では、家計に負担をかけない支払い方法の設定が大切という加入者が過半数を超えていました。

・家計に負担をかけない払込方法を設定することが大切…56.0%
・返戻率を重視することが大切…48.9%

返戻率よりも長期に渡って支払う保険料が、家計に無理のない金額になるようにすることが大切であるということです。

まずは、家計の現状を洗い出し、保険料がいくらなら支払い可能なのか算出してみましょう。

受取金額と受け取るタイミングから学資保険を考える

学資保険の受取金額と受け取るタイミングは、将来どのくらい教育資金がかかるかを知ることによってある程度検討をつけることができます。

一般的に、教育資金を最も必要とするのは大学進学時です。

それでは、大学進学時にかかる費用について詳しく見ていきましょう。

教育費のピークは大学進学時

大学に進学した場合の4年間が最も教育費のかかる時期です。

私立か国公立か、文系か理系かによっても費用は大きく変わってきますが、共通して言えるのは、大学入学時に最も教育費がかかるということです。

私立大学に進学した場合の費用は次のようになります。

区分 文科系学部 理科系学部 医歯系学部 全平均
授業料 781,003 1,101,854 2,847,940 900,093
入学料 231,811 254,941 1,050,306 252,030
施設設備費 152,496 184,102 872,711 181,294
初年度合計 1,165,310 1,540,897 4,770,957 1,333,417
在学時合計 3,965,807 5,398,765 23,374,212

出典:文部科学省 平成29年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額の調査結果について

また、国公立の大学に進学した場合には、入学金が282,000円、授業料は535,800円が標準です。

「いつ」「何に」「いくら」教育費をかけるかを決めよう

今の時代、子供の進路は子供自身が決める家庭がほとんどです。

しかし、親が子供の教育プランをより具体的にして「いつ」「何に」「いくら」教育費をかけるかをある程度予測し備えることが大切です。

年代 貯蓄現在高 負債現在高 純貯蓄額

(貯蓄−負債)

40歳未満 608万円 942万円 ▲334万円
40〜49歳 1,024万円 1,068万円 ▲44万円
50〜59歳 1,751万円 645万円 1,106万円
60〜69歳 2,402万円 196万円 2,206万円
70歳以上 2,389万円 83万円 2,306万円
全体 1,805万円 499万円 1,306万円

出典:総務省 平成28年度 家計調査

子育て世代は教育資金の他にも、マイホームの購入資金や老後資金の貯蓄が必要になります。

住宅購入後は、住宅購入資金として貯蓄していたお金を、教育資金と老後資金にまわしましょう。

子供が生まれた時から、18歳になるまでを「教育資金の貯蓄期間」として、目標額を達成できるように逆算

し、月々貯蓄する金額を決めると良いでしょう。

例えば、大学進学時に向けて払込期間を10歳まで、保険料の支払いを月1万円〜月1万5千円にします。そうすると、大学進学時の受取金は130万円〜200万円になりますで、大学初年度の教育費は(私立医歯系学部を除いて)学資保険で全て対応することが可能です。

学資保険と並行して、預貯金などで月3万5千円〜4万円を積み立てます。

10歳までの10年間積み立てをすれば、420万円〜480万円貯蓄することが可能ですので、この貯蓄分を大学4年間の教育費に充てることができます。

上の例では、払込期間と積み立て期間を各10年間としましたが、それ以降も保険料の払込や積み立てを継続すれば、当然ながらより多く教育資金を備えられます。

学資保険で重要な「返戻率」とは

返戻率とは、学資保険の受取金の合計が支払った保険料の総額に対してどれだけ多いのか(少ないのか)をパーセンテージで表したものです。

【返戻率の計算式】

返戻率(%)=受取金合計額÷支払保険料総額×100

返戻率が高いほど、支払った保険料よりも多くの学資金を受け取ることが出来るということです。

返戻率を上げるためには、支払い期間を短くする、なるべく早く契約することが必要です。

マイナス金利政策の影響で返戻率は以前よりも下がり、なかには返戻率が100%を下回る学資保険も存在します。

しかし、加入の条件次第では現在でも返戻率が105%〜110%になる学資保険もあります。

せっかく、長期に渡って資金を拘束されて教育資金を貯蓄するのであれば、なるべく多くの学資金を受け取りたいですよね。

学資保険は加入時期によって保険料が変わる

学資保険は、加入する時期によって保険料が変わります。

一般的に契約者も被保険者である子供も、若ければ若いほど保険料は安くなります。

保険会社は死亡率などのリスクデータから保険料を算出しているので、若い方が保険料は安くなります。

また、子供の年齢が上がれば上がるほど、学資保険の満期までの期間が短くなるので、月々の保険料の支払いが高くなる傾向にあります。

学資保険に加入するメリット・デメリット

学資保険に加入するメリットとデメリットを紹介します。

デメリットの部分もきちんと理解した上で、加入するか否かの決定をしましょう。

学資保険加入のメリット

学資保険のメリットは、主に4つあります。

1.教育費を強制的に貯蓄できる

「教育費」を強制的に、かつ途中で引き出すことなく貯蓄できるのは、学資保険のメリットと言えます。

特に、貯蓄に苦手意識がある方にとっては、意識しなくても自動的に引き落としされ、自由に引き出すことが難しい学資保険は、教育資金の貯蓄手段としておすすめです。

2.契約者が死亡した場合保険料の支払いが免除される

学資保険には、契約者が死亡した場合に以後の保険料が免除される「保険料払込免除特約」というものがあります。この特約は、あらかじめ付いている学資保険もあれば、そうでないものもあります。

保険料払込免除特約は、万が一のことがあった時に以後の保険料の免除だけでなく、しっかりと当初の契約通りの満期学資金を受け取ることができます。

また、「育英年金特約」と言って、契約者が死亡または高度障害となった場合に、契約満期になるまでの期間、所定の年金が育英費用として受け取り続けることができるというものもあります。

ただし、この特約を付帯すると保険料が上がり返戻率が下がります。

3.返戻率が良い学資保険も存在する

学資保険はかつてより返戻率が下がったとはいえ、現在でも返戻率が100%を超える商品は多数存在しています。

繰り返しになりますが、保険会社や契約条件によっては、約105%〜110%の返戻率を維持している学資保険もあります。

株などの投資よりもローリスクで銀行預金よりも利率が良いのは、学資保険のメリットの一つです。

4.生命保険料控除の対象となる

学資保険は「生命保険料控除」の対象となり、減税にも一役買ってくれる存在です。

貯蓄をしながら、なおかつ税金控除ができるというのは、学資保険ならではのメリットでしょう。

学資保険加入のデメリット

メリットの一方で、デメリットも存在します。

学資保険のデメリットは2つ挙げられます。

1.低金利時代で返戻率がかつてより悪い

2016年2月から導入されたマイナス金利政策の煽りを受け、かつては1%以上あった学資保険の予定利率も0.25%まで下がりました。

予定利率に伴って返戻率も下がった現在の学資保険は、昔よりも貯蓄性が良くなくなったという事実は、デメリットの一つと言えます。

2.中途解約すると元本割れする可能性

学資保険は、中途解約をすると元本割れを起こす可能性が非常に高い保険商品です。

途中で何かしらの理由で解約したいと思っても、元本割れの可能性からなかなかそうできないということは、中途解約したいと思った契約者にとってはデメリットになり得ます。

学資保険以外で貯蓄できる方法

現代では、学資保険以外の手段で教育資金を貯蓄する家庭も増えてきています。

その理由としては、先ほど「学資保険のデメリット」で取り上げた返戻率の低さや、中途解約の際の元本割れの可能性の高さが挙げられます。

また、学資保険と併せて別の手段で貯蓄している家庭も多く見られます。

学資保険以外の貯蓄方法は、大きく分けて3つあります。

1.銀行預金

出し入れの自由度が高く、意思の強い方や家計管理が得意な方には向いている一番オーソドックスな貯蓄方法です。

学資保険と並行して銀行預金で教育資金を貯蓄している方もいます。

学資保険と銀行預金は、それぞれのメリットとデメリットを補い合う形になるので、この2つの手段で教育資金の貯蓄をするのはおすすめです。

2.学資保険以外の保険

学資保険以外でも「貯蓄型」の保険は存在し、加入条件よってはその保険の方が、返戻率が良いことがあります。

その一つが「低解約返戻金型終身保険」です。

学資保険と同様にこの保険は、ある一定の期間を過ぎるまでは中途解約をすると、ほぼ確実に元本割れを起こします。しかし、一定の期間を過ぎて解約をすると返戻率がぐんと上がり、結果として学資保険よりも返戻率が良い場合もあるのです。

学資保険の代わりに、低解約返戻金型終身保険に加入して教育資金を貯蓄することも手段の一つとして検討の余地があります。

3.運用

株式投資や投資信託など、資産運用が初めての方にとっては少し抵抗のある貯蓄方法かもしれません。

資産運用には、期待できるリターンに比例するリスクも当然ながらあることに加えて、銘柄数と世界情勢など判断材料が多くどの銘柄に投資すればよいのか判断し兼ねることがあるため、少し敷居が高く感じられますよね。

しかし、現在では全てAIが投資先を決めてくれて、全自動で運用を続けることができるサービスや、ジュニアNISAと言って子どもの将来に向けたNISA(2014年にスタートした個人投資家のための税制優遇制度)もあります。

以前よりも手軽に始められる運用方法で、教育資金を蓄えるのも一つです。

学資保険に加入する際の注意点

学資保険に加入する際の注意点をここで紹介します。

学資保険を選ぶ場合には、以下の2つの注意点もよく理解した上で加入しましょう。

1.中途解約は元本割れのリスク

やはり注意したいのは、中途解約した場合に元本割れを起こす可能性が非常に高いことです。

最長で18年間保険料を支払い続けることになり、保険料の支払いに無理が生じたり、何か大きな資金が突然必要となったとしても解約することが難しいのが学資保険です。

加入の際は、家計に無理のない保険料の設定と、学資保険は資産の一部ですが、あくまで「教育資金」の貯蓄であると割り切ることが大切です。

2.受取金には税金がかかる場合も

一般的な契約であれば、学資保険の受取金には税金がかからない場合がほとんどです。

ですが、払い込んだ保険料よりも受取金が50万円を超える場合や、契約者と受取人が異なるケース、学資年金として受け取った場合などには税金がかかってしまうこともあります。

加入の時点で、受取金には税金がかかるかどうかを確かめておくこと良いでしょう。

学資保険を選ぶ際のポイント

数ある学資保険の中から、子供や家庭に合ったものを選ぶ際の3つのポイントを紹介します。

1.返戻率の良いもの

学資保険の中には、返戻率が100%を下回るものも現在は存在しています。

せっかく長期で保険料を支払うのであれば、なるべく返戻率の良いものを選びましょう。

保険会社や契約内容によって返戻率は変わりますので、始めから一つに絞らず数社の学資保険の比較検討をおすすめします。

2.学資保険のプランが家庭と合っているもの

返戻率の良さと併せて、学資保険のプランが家庭の教育プランやライフプランに沿ったものかどうかを確認しましょう。

学資保険には、「支払い期間」や「学資金を受け取るタイミング」が保険会社やプランによっていくつか異なる形で用意されています。

返戻率の良さだけで学資保険を決めてしまうと、支払い期間を短くしたために保険料の支払いに無理が出てしまうなどの問題も生じ兼ねません。

また、子供が早生まれの場合には、17歳の時点で学資金を受け取るようにしておかなければ、大学の資金に学資保険の受取金を使用できないこともあります。

学資保険のプランを十分に確認することは、加入する上でとても大切です。

3.保障内容

学資保険には大きく分けて「貯蓄型」と「保障型」の2つのタイプがあります。

保障型を選択する場合には、その内容をよく理解することが重要です。

保険料に対して妥当な保障内容か、そもそも保障は本当に必要なのかなど、学資保険以外で保障をカバーすることも視野に入れながら検討しましょう。

まとめ

学資保険に加入するには満期受取金と保険料の設定が大切で、そのためには教育プランやライフプランをある程度立てることが大切です。

今回は、一般的な学資保険の満期受取金や保険料の平均値、進学時にかかる費用を詳しく紹介しました。

計画を立てる際の参考にしてみてください。

そして、各データは参考にしつつも、自分の家庭や子供に合った学資保険、また学資保険のプランを選びましょう!

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